花と緑の相談

CONSULTATION

盆栽類の植替え

長い間にわたって盆樹を植え替えないでおくと、その盆樹の根が鉢の中全体にまわり潅水した水の浸透が悪くなるとともに水分の吸収もできなくなり、栄養分も不足して盆樹は枯れることになります。適当な時期に植え替えを行い、用土を新しくして根をほぐすようにしましょう。

盆栽の植え替えが必要となる場合

  • 根詰まりが起きている場合(植物のための植え替え)
  • 木と鉢の調和の面から植え替えが必要になる場合(鑑賞のための植え替え)
  • 用土が病害虫の巣になったり、変質して根の生育に悪影響を及ぼす場合(緊急処置のための植え替え)

植え替えの時期

春彼岸前後と秋彼岸前後が適期です
休眠期 落葉樹の場合は秋から早春までの落葉期間中
春の発芽直前 多くの落葉樹にとって一番の適期です(木の衰弱が少なく、発根が早いため)
晩秋から早春 常緑樹の場合は、春から秋にかけての成長期に比べ、晩秋から早春にかけては活動が非常に鈍り冬眠状態になっているので、植え痛みの少ない時期にあたります。
梅雨期 この時期は、植物の活動が旺盛なことと空気中及び土中の水分が豊富なため、植物の疲れも少なく、また、回復が早いので、植え替えの適期になります(寒さに弱い物は水切れに注意)。

植え替えの回数

目安としては、鉢中の土が固くなって水が通らない状態になったら行います。松柏類でおよそ2~5年に一回、雑木・実物・花物類で1~3年毎です。

植え替え方・植え替え作業場所・植え替え後の管理

植え替え方法

植え替え作業場所は日陰が望ましく、なるべく無風の日がよいでしょう。

植え替え用土の配合について

4~6月・9~10月に植え替えた場合の植え替え後の管理は、直接戸外の棚上へ出して培養管理します。

※この表組みは横スクロールしてご覧いただけます。

赤玉土 みじんこ 黒玉土 桐生砂・
川砂
腐葉土 鹿沼土 山苔・水苔 植え替え
時期
肥料
油粕8:骨粉2
用土・粒径
けやき 8 1 1 3~4月 植え替え後 1~3mm
けやき 6 1 2 1 3~4月 半月~1ヶ月後 腐葉土3mm
ごようまつ 7 3 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
つるうめ
もどき
9 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
もみじ 8 2 2~3月 半月~1ヶ月後 1~3mm
杜松 8 2 4~5月 半月~1ヶ月後 1~3mm
えぞまつ 6 4 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
ひめりんご 8 1 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1.5~3mm
さくら類 7 2 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
かいどう 7 2 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
ひめしゃら 8 1 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
うめ 7 2 1 11~3月 半月~1ヶ月後 1~3mm
とうかえで 8 2 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
にれけやき 8 1 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
まゆみ 8 1 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1.5~3mm
ぶな 8 1 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
ぼけ 8 1 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
にしざき 8 1 1 3~4月 半月~1ヶ月後 1~3mm
さつき 3 5 2 3~7月 半月~1ヶ月後 1.4~4mm
さつき 4 6 3~7月 半月~1ヶ月後 1.4~4mm
病害虫防除
主な病害 スス病、ウドンコ病、コウヤク病、胴枯れ病、根頭ガンシュ病
⇒石灰硫黄合剤、ダイセン系水和剤などで防除
主な虫害 グンバイムシ類、アブラムシ類、ミノムシ類、カイガラムシ類、ハダニ類、コナジラミ類
⇒マシン油乳剤、石灰硫黄合剤、スミチオン乳剤、マラソン乳剤などで防除